ハイブリッドバッテリーとは|駆動用電池の種類と充電の仕組み

乗用車のシルエットの中に大小2つの電池マークが描かれ、ハイブリッドバッテリーの種類と充電の仕組みを紹介する記事タイトル

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『ハイブリッド車のバッテリーって、普通の車のバッテリーと何が違うの?』と気になっている方は多いですよね。

結論から言うと、ハイブリッド車にはバッテリーが2つあります。モーターで走るための「駆動用バッテリー」と、システムの始動や電装品に使う「補機バッテリー」です。

この記事では、ハイブリッドバッテリーの役割と種類、充電の仕組みを、今の車を持っている方の目線で紹介します。

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目次

ハイブリッドバッテリーは2種類ある

先に結論

ハイブリッドバッテリーと呼ばれるのは、ふつうは走るための駆動用バッテリー(メインバッテリー)のことです。ただ車にはもう1つ、12Vの補機バッテリーも積まれています。困りごとがどちらの話なのかを分けると、調べものがぐっと楽になります。

トヨタの案内では、ハイブリッド車は走行に使う「駆動用バッテリー」と、ハイブリッドシステムの始動やオーディオ、ライトに使う「補機バッテリー」の2種類を積んでいると説明されています。

そして、どちらのバッテリーも長い間放っておくと上がります。ここは意外と知られていないところなんです。

何を動かすか・上がるとどうなるかで比べる

2つのバッテリーの違いを、「何を動かすか」と「弱るとどうなるか」で並べてみました。

比べる点駆動用バッテリー補機バッテリー
主な役割モーターに電気を送って車を走らせるシステムの始動、ライトやオーディオなど
呼ばれ方ハイブリッドバッテリー、メインバッテリー、蓄電池12Vバッテリー、サブバッテリー
電池の種類ニッケル水素電池かリチウムイオン電池(車種で違う)普通の車と同じ12Vのバッテリー
弱った時に出やすいこと警告灯や「駆動用電池の点検」のメッセージシステムが始動しない、READYがつかない
自分で触れるか触れない(高電圧部品)取扱説明書の範囲で救援を受けられる

『バッテリーが上がって動かない』という時、多くは補機バッテリーのほうの話です。

補機バッテリーについては、ハイブリッドの補機バッテリー|役割・交換時期・普通のバッテリーとの違いでくわしく紹介しています。

ハイブリッド車に積まれた駆動用バッテリーと補機バッテリーの役割の違いを示した図解

駆動用バッテリーの種類|ニッケル水素とリチウムイオン

駆動用バッテリーの電池には、大きく分けて2つの種類があります。

トヨタの案内では、駆動用バッテリーは「リチウムイオンバッテリー・ニッケル水素バッテリー」で、どちらを積むかは車種によって違うとされています。

比べる点ニッケル水素電池リチウムイオン電池
公式に確認できる採用例トヨタの車種の一部。新型アクア(2021年7月発売)はバイポーラ型ニッケル水素電池日産のハイブリッド車・e-POWER車、トヨタの車種の一部
メーカーの説明新型アクアの電池は従来型アクアの電池と比べて約2倍の出力(トヨタ発表)日産は電気の出し入れの耐久性は非常に高いと案内
確かめる場所取扱説明書・主要諸元取扱説明書・主要諸元

どちらが良い悪いではなく、メーカーが車の性格に合わせて選んでいるものです。

自分の車がどちらかは、取扱説明書やカタログの主要諸元、メーカー公式サイトで確かめられます。

ハイブリッドのリチウムイオン電池とニッケル水素電池、どちらがいい?

『リチウムイオンバッテリーのほうが新しくて良さそう』と感じる方もいますよね。

ただ、乗る側がどちらかを選んで買うことはほとんどありません。同じ車種でも年式やグレードで電池が違うことがあります。

選ぶ時に見ておきたいのは、電池の種類よりも次の3つです。

電池の種類より先に見ておきたいこと
  • 駆動用バッテリーの保証の年数と距離
  • 保証を受けるための点検の条件
  • 中古なら、点検記録と警告灯が出たことがあるか

販売店では、こんなふうに聞いてみるとスムーズです。

「この車の駆動用バッテリーの保証は、いつまでですか?」
「メーカーや車種で違うので、保証書で一緒に確かめましょう」

ハイブリッドバッテリーの容量の見方

バッテリー容量は、電気をどれだけためられるかを表す数字です。kWh(キロワットアワー)という単位で書かれることが多いです。

例えばマツダのe-SKYACTIV PHEVは、17.8kWhのバッテリーを積んでいると公式に案内されています。

外から充電して電気で走るPHEVは、電池を大きめに積んでいる車が多いです。一方、充電しないハイブリッド車は、発電と回生でこまめに出し入れする使い方をしています。

容量は車種ごとに違うので、数字はメーカーの主要諸元で確かめてみてください。

ハイブリッドの充電の仕組み|外から充電は必要?

『ハイブリッドって充電必要なの?』という疑問、よく聞きますよね。ハイブリッドバッテリーの充電は、走っている間に車が自分で行います。

ここが大事なところです。普通のハイブリッド車(HEV)は、コンセントや充電スタンドで充電する必要はありません。

走りながら充電する2つのルート

プリウスの取扱説明書では、充電の流れが次のように説明されています。

駆動用バッテリーに電気がたまる流れ
  1. 通常走行時は主にエンジンで走り、必要に応じてモーターを発電機として動かして充電する
  2. 減速やブレーキの時は、車輪の力でモーターを発電機として回し、その電気をためる(回生ブレーキ)
  3. 発進や低速、急加速の時に、ためた電気でモーターを動かす
ハイブリッド車が走りながら駆動用バッテリーに充電する流れを示した図解

ホンダのe:HEVは、エンジンの力で発電した電気でモーターを回して走る場面が多い方式です。日産のe-POWERは、エンジンが発電専用で、メーカーも「充電を気にする必要が無く」と案内しています。

方式による違いは、ハイブリッド車の仕組み|エンジンとモーターの役割と走り方でまとめています。

ハイブリッドのSOCとは

SOCは「State of Charge」の略で、電池の充電状態のことです。整備の現場や車好きの間で、駆動用バッテリーの残量を指す言葉として使われます。残量の表示の仕方は車種で違うので、取扱説明書で確かめてみてください。

ハイブリッドの充電方法で気をつけたいこと

『止まってアイドリングしておけば充電されるのでは?』と考える方もいるはずです。

トヨタは、シフトを「N」にして走ったり停車したりしても燃費は良くならず、かえって悪くなる場合があると案内しています。Nでは減速時の回生が効かず、停車中も駆動用バッテリーに充電されないためです。

ふだんどおりPやDで使えば、充電は車がうまく調整してくれます。

PHEVの場合は話が別で、外からの充電が前提です。違いはハイブリッドとプラグインハイブリッドの違い|PHEVはどっちを選ぶ?で比べています。

冬のバッテリーと長く乗らない時の注意

ハイブリッドで冬のバッテリーが心配、という声もよく聞きます。

寒い時期は、取扱説明書どおりの動きでも「いつもと違う」と感じやすいんです。

冬によくある「あれ?」
  • 駆動用電池の温度が低い時や暖房をかけている時は、エンジンが自動で止まりにくい
  • 外気温が低いと、READYインジケーターの点滅が長くなることがある
  • エンジンや車内が暖まるまでエンジンが止まらず、燃料を使う

これらは取扱説明書に書かれている動きで、すぐに故障というわけではありません。READYがつくまで落ち着いて待ってみてください。

長く乗らないとバッテリーは上がる

トヨタは、駆動用も補機も長期間放置すると上がると案内しています。予防の目安は、2週間の間に合計30分、特に冬は合計80分ほど運転することです。

週末しか乗らない方や、冬の間あまり乗らない方は、意識しておきたいところですね。

長く乗らない時の注意は、ハイブリッド車に長期間乗らない時|保管の注意と手放す判断にまとめています。

高電圧のバッテリーは自分で触らない

駆動用バッテリーは高い電圧の電気を扱う部品です。

例えばアクアの取扱説明書では、高電圧部位は最高約580Vと書かれています(電圧は車種によって違います)。

自分で触らない部分
  • 駆動用電池と、オレンジ色の高電圧ケーブル
  • サービスプラグ、インバーター、モーターなどの高電圧部品
  • 注意ラベルが貼られている部分

国土交通省の運輸支局に掲載されている点検ハンドブックでも、高電圧部品に不用意に触れるとやけどや感電のおそれがあると注意しています。

点検や交換は、販売店や整備工場にお願いしましょう。

冷却用の吸入口をふさがない

駆動用バッテリーには、電池を冷やすための吸入口がある車があります。

アクアでは後席の下(左側)にあり、シートカバーや荷物でふさがないように案内されています。

場所は車種で違うので、取扱説明書で一度確かめておくと安心です。

駆動用バッテリーの保証と、手放す時の考え方

駆動用バッテリーの保証は、トヨタ・ホンダ(フィットe:HEV)・日産(ハイブリッド車・e-POWER車)で、新車登録から5年または10万kmの早い方までと案内されています。

ほかのメーカーは条件が違う場合もあります。保証書やメンテナンスノートで確かめてみてください。

メーカー駆動用バッテリーの新車保証(公式の案内)
トヨタ新車登録から5年間、ただし期間内でも10万kmまで
ホンダ(フィット e:HEV)新車登録から5年間、ただし期間内でも10万kmまで
日産(ハイブリッド車・e-POWER車)新車登録から5年間または10万kmの早い方

(2026年10月時点の各社公式サイトより。車種・年式で異なる場合があります)

寿命の年数については、トヨタは「一概には申し上げられません」としています。目安や劣化のサインはハイブリッドのバッテリー寿命|何年もつ?劣化のサインと延ばし方で紹介しています。

今の車を手放す時も、電池の記録が役に立つ

ハイブリッド車への乗り換えを考えている方や、今のハイブリッド車を手放そうか迷っている方もいますよね。

そんな時は、下取りだけでなく買取店に売る方法もあります。先に今の車の相場を知っておくと、乗り換えの予算も立てやすくなります。

ハイブリッド車を売る時は、点検記録簿や保証書をそろえておくと、電池の状態を説明しやすくなりますよ。

よくある相談:ハイブリッドバッテリーの疑問

ネットの相談サイトに寄せられている、ハイブリッドバッテリーの声から多いものを要約して紹介します。

相談1 バッテリーの交換費用が高いと聞くけれど、実際どうなの?

ハイブリッドバッテリーの交換費用が高いとよく聞くけれど、実際のところどうなのか知りたい、という相談です。

交換費用は車種や部品の選び方、工賃で変わるので、この記事では金額は書きません。まずは保証期間内かどうかを確かめるのが先です。

回答のポイント

保証期間内なら、保証で対応してもらえる可能性があります。保証が切れている場合は、販売店で点検を受け、見積もりの内訳を見て考えましょう。交換の考え方はハイブリッドの駆動用バッテリー交換|費用の考え方と交換時期で紹介しています。

相談2 ハイブリッド車の充電方法がわからない

これからハイブリッド車を買おうと思っていて、電気の充電方法を知りたい、という相談です。

普通のハイブリッド車は、走りながら発電と回生ブレーキで充電するので、家で充電する必要はありません。

「家に充電設備がないけど大丈夫?」
「プラグインハイブリッドでなければ、充電の心配はいりませんよ」

こんなふうに、PHEVかどうかを先に確かめておくと迷いません。

相談3 10年以上前の中古ハイブリッドのバッテリーは大丈夫?

10年前や15年前のハイブリッドの中古車がふつうに売られているけれど、バッテリーは大丈夫なのか、という相談です。

駆動用バッテリーの状態を、乗る人が直接判断する方法はないとトヨタは案内しています。

年式が古い車ほど、点検記録や警告灯の履歴を販売店に確かめておくのが安心です。中古選びのコツは中古のハイブリッド車の選び方|バッテリーの状態と走行距離の見方にまとめています。

新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく

新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。

『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。

手放し方の選択肢

今の車は、購入する販売店での下取りのほかに、買取店に売る方法もあります。複数の会社に査定してもらうと、条件を比べたうえで決められます。

納車のタイミングと手放す時期をそろえておくと、車が無い期間もつくらずに済みます。

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よくある質問

ハイブリッド車のバッテリーは家で充電する必要がありますか?

普通のハイブリッド車(HEV)は、走行中の発電と回生ブレーキで駆動用バッテリーに充電するので、外から充電する必要はありません。外部充電が前提なのはプラグインハイブリッド(PHEV)です。

ハイブリッド蓄電池とは何のことですか?

一般には、モーターを動かすための駆動用バッテリーを指す言い方です。メインバッテリーやハイブリッドバッテリーとも呼ばれます。12Vの補機バッテリーとは別のものです。

自分の車の電池がニッケル水素かリチウムイオンか、どこで分かりますか?

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冬にハイブリッドのバッテリーで気をつけることはありますか?

寒い時は駆動用電池の温度が低いとエンジンが止まりにくく、READYの点滅が長くなることもあります。長く乗らない時は、冬は2週間で合計80分ほど走るのが目安とトヨタは案内しています。

まとめ

ハイブリッドバッテリーは、走るための駆動用バッテリーのことを指すのが一般的です。車にはもう1つ、補機バッテリーも積まれています。

電池の種類はニッケル水素電池かリチウムイオン電池で、車種によって違います。どちらの場合も、走りながら車が自分で充電してくれます。

ハイブリッド車全体の仕組みや選び方は、ハイブリッド車とは|仕組み・種類・ガソリン車との違いと今の車の手放し方で紹介しています。

この記事の要点
  • ハイブリッド車には駆動用バッテリーと補機バッテリーの2つがある
  • 駆動用はニッケル水素電池かリチウムイオン電池で、車種によって違う
  • 普通のハイブリッド車は走りながら充電し、外からの充電は不要
  • 冬や長く乗らない時は、取扱説明書の目安どおりに走らせる
  • 高電圧部品は自分で触らず、保証と点検記録を確かめておく
ハイブリッド車ガイド

ハイブリッド車ガイド 編集部

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